【兼務社】仮屋事代主神社(かりやことしろぬしじんじゃ/正式名称:事代主神社)
<御祭神> 事代主命 (ことしろぬしのみこと)
<相殿> 中筒男命 (なかづつのおのみこと/住吉大神)
<相殿> 伊弉諾命 (いざなぎのみこと)
<御由緒>
創立年月は残念ながら資料が残っておらず不詳ですが、古来から淡路・東浦を代表する漁師街・仮屋の「えべっさん」として漁師の方々を始めとして仮屋周辺の地域の方々から篤い崇敬を集めてきたお宮です。
御祭神の事代主命については、対岸の西宮にある「えべっさん」の総本宮として名高い西宮神社から勧請されたものと伝わっております。(御祭神の神像が西宮に行かれた為か一時行方不明になったり、西宮から本家のえべっさんの神像をお招きしたのかいつの間にか二体に増えた…という内容の逸話も伝えられています)
長らく豊漁をもたらす海の神様として名高いお宮でしたが、近年は十日戎にも注力し年々ご参拝の方が増えている事から、商売繁盛の神様としても崇敬されております。
<祭典>
◆例大祭(通称:水かけ祭り)
何よりこの仮屋事代主神社の名を高めているのは9月第3週の日曜日に斎行されている例大祭・通称「水かけ祭り」です。
年に一度の最重要の祭礼という事もあり、厳粛なる本殿祭に続き近隣の町内会の布団太鼓の華やかな宮入り等も行われ小さな神社の周りは大変な盛り上がりとなります。
ですが、何といってもこの祭りの見もの・呼び物は近隣の町内を巡る神輿渡御です。
この神輿を担ぐのは戦前は若衆だったそうですが、戦後はすぐ近くの東浦中学校の3年生男子が担ぐ決まりとなっており、地域の少年達が大人へと成長していく為の通過儀礼的要素も持っています。
どんな神輿渡御なのか…、それは「水かけ祭り」という名の通り行く先々でバケツやたらいの気つけの水を神輿と神輿の担ぎ手に浴びせかけるという豪快なものです。これは元々水に関係の深い事代主命の神輿に水をかけてお迎えする、また暑い最中に神輿を担いでいる担ぎ手の熱さまし…など様々な理由があったようですが、近年は景気づけの「水かけ」によって担ぎ手の中学生を鼓舞しようという意図の方が強くなっているようです。
担いでいる中学生達も、その景気づけに応えるかのように「水じゃ!水じゃ!水持ってこい!!」と囃しながら各町内会を練り歩いて行くのです。
※以下の写真は東浦にお住いのY様からご提供いただいたものです(2018年撮影)
◆気つけの水を浴びる担ぎ手の中学生達
港沿いに南北に広がる漁師町の各町内を巡った神輿は、最後に事代主神社近くの浜辺から神輿ともども海中に入る「潮浴み(しおあみ)」を行い神輿渡御のクライマックスとなります。
担ぎ手の中学生達にとってはまだ体力的に大変なお役目と言えるかも知れませんが、中学卒業前に同級生達と共に困難を乗り越えて神輿渡御をやり切るのは大変思い出深い経験となるようです。この潮浴みが終わると神輿は担ぎ手達と共にお宮にお戻りになり祭りも終了となります。
◆十日戎
「えべっさん」と言えば総本宮・西宮神社の「十日戎」が全国的にも知られていますが、仮屋事代主神社でも古くからこれに倣って十日戎のお祭りを開催してきました。
そんな中、1995年の阪神淡路大震災では仮屋事代主神社も大きな被害を受けましたが、そこからの復興を願って十日戎も更に盛大に執り行うようになりました。
中でも、近隣在住の女子高生に福娘を務めていただき、福笹や熊手・宝船などの縁起物(吉兆)を販売していただいたり、笹でご参拝の方々をお清めしていただいたり…という本家えべっさんを参考にした取り組みは大好評を博した為、関係者のご協力も得て継続的に続けてきた結果、近年では淡路島の他の地域からもご参拝に来られる方・吉兆をお求めになる方で大いに賑わうようになって来ました。
皆様も是非、仮屋事代主神社・淡路仮屋のえべっさんの十日戎にお越し下さい。
※「十日戎」は総本宮・西宮神社と同様、1月9日:「宵戎」、1月10日:「十日戎」、1月11日:「残り福」の3日間開催いたします
◆縁起物(吉兆)をお買い求めの方々を福娘さん達がお祓い済みの笹でお清め(画像は2020年のものです)
◆様々な縁起物(吉兆)が所狭しと並びます
◆福娘さん達は餅撒きも頑張ります
<アクセス>
【神社住所】〒656-2331 兵庫県淡路市仮屋エビス240
事代主神社は仮屋漁港近くの住宅街の中にございますので、仮屋漁港、千年一酒造、学習小学校のいずれかを目印にお越しになると分かりやすいのではないかと存じます。
※千年一酒造は淡路島有数の酒蔵で、随時酒蔵見学も受け付けておられますのでご興味ある方はご相談下さい(TEL:0799-74-2005)
<事代主神社周辺地図>
【駐車場所】
事代主神社は住宅街の中にあり、なおかつ駐車場がございません。お立ち寄りの際は、仮屋漁港の共用スペースに一時駐車いただくか、仮屋地区公園の駐車場に駐車下さい。(道路沿いに設けられた月極駐車場のスペースに駐車されないようご注意下さい)
<各種お問合せ>
仮屋事代主神社は松帆神社の兼務社で、祭礼の日以外は無人となりますので、お問合せは松帆神社(0799-74-2258)までお願いします。